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書きたくなったら、また書くのです。

香港のせこいタクシー事情

香港は狭いところに交通機関が非常に良く発達しているので、出かけるにはとても便利。地下鉄、バス、フェリーと色んな乗り物があります。
その中で我々がどうしてもよくお世話になっちゃうのが、タクシー。日本に比べれば格段に安いし、台数も多くてすぐ捕まるので、ついつい乗ってしまう…。ちなみに初乗り2kmがHKD15(約225円)。

車輌は9割がトヨタクラウンコンフォートで、後は日産のセドリック。日本と同じ右ハンドルのせいか、この2車種しかない。新車として香港で使われているのも多いけれど、よく見ると日本からの中古だったりもして、ふと見ると「初乗り660円」なんて言うシールが貼ってあることがある。

色は赤・青・緑の3種類で統一されていて、会社にかかわらず同じ色。赤は市内、青はランタオ島という大きな離島、そしてそして緑は新界と呼ばれる郊外一帯が営業区域、という区分けになっていて、ひじょーに判りやすい。いきなり襲われたりすることも無いので治安も良く、ついつい利用してしまいがち。*1

ところで香港のタクシーは治安も良い、とは書いたモノの、日頃から些細なトラブルが絶えない。と言うのも、どういうワケかこのタクシーの運チャン達、揃いも揃ってみんな、セコいのだ。いや、収入としては決して多くないだろうから気持ちはわからないでもないのだが…。

例えば市内から空港へ行くとき、ドライバーは有料のトンネル代と高速道路代を立て替えておいて、後で精算することになっている。ウチから Western Tunnel というところを通った場合には、追加料金はトンネル代がHKD35、帰路の法定通行料*2がHKD15、そして空港高速がHKD30。従い、追加で支払う通行料はHKD80である。その他に、車内に入らない大きな荷物をトランクに入れた場合には、一個あたりHKD5の追加料金がかかるルール。トランクにスーツケースを1つ入れて空港まで行けば、追加料金はHKD85という計算になる。運転手は到着時にその分の追加料金をメータに加算してレシートを出す。

ところが、運転手達は微妙にここで稼ごうとする。ひどいヤツになるとHKD120とか押すので、それはこちらもキレて絶対払わないが、多いのはHKD90とか95とか、微妙に多めに加算するヤツ。「なんでやねん、85だろうが」と言えば、「あれ?そうだっけ?えーと、トンネル代が40の…」「それは35!」「あ、すまん。で帰路が20の…」「それも15!」「あれそうだっけ。で高速が40の…」「30!」「ああそうか。えーとここまでで85の…」「80!」「ああそうそう、で荷物が10で90!」「なんでやねん。荷物一個だろうが。85だろう!」「いや、(座席に置いたコンピューターバッグを指して)それも数えて2個で10ドル」「てめー殺すぞ」

というやりとりが、かなり頻繁に起こる。こちらもここまでフルにつきあうのも疲れるのだが、たったHKD5(日本円で75円)とは言え、こちらの沽券にもかかわる*3わけで絶対に折れない。

それもこれも香港のタクシーの追加料金のルールが複雑すぎるからだと思うわけで、改善されないものかな…。ただ、絶対的に運賃そのものが安く、かといってガソリンが安いわけではないので、タクシーの運チャン達も必死なんだとは思う。ちなみに、彼らは日本と違ってサラリーマンではなく、個人タクシーに近い。彼らは所属している会社に一定のお金を払って車を借り、後はあがりは全て自分のモノ、というシステム。従って、客が取れなければ赤字になってしまう。

上記のようなせこさはまだこちらもカウンターのしようがあるけれど、もっとせこいのは、距離稼ぎ。それもわざと遠回りするとかではなくて、「はい、ここで下ろして」と行ったときに、すぐにぴっと止めずに、ずるずる走ってもうワンメーター稼ごうとするやから…。香港のメーターは初乗り以降は150mぐらいで上がるので、「もうちょっとで上がるかも!」と言うときにはこういうことをするヤツが多い。で、結局10mぐらいも行き過ぎてメーター上がらずに、「ちっ」とか言いながらおつりを返されると、こっちもげんなり。後ろから蹴ってやりたくなる…。

もうちょっと心の広い人間になりたいモノです。

*1:ちなみにその勢いで東京でタクシーに乗るとエラいことになる

*2:これは法律で決まっていて、車内の料金表にも書いてある。通ったトンネル毎に異なる。なお、所定の「過海−CROSS HARBOUR」表示が掲げられた乗り場から乗った場合には、この帰路の通行料は不要。

*3:相手が日本人もしくは外国人だと判ってやっている節が多いから。